■目的
アンコール遺跡は、カンボジア王国の伝統文化と国民統合の象徴であるばかりでなく、アジアの文化的至宝ともいうべき遺跡ですが、現在、崩壊の危機に瀕しています。日本国政府は遺跡保存協力を国際文化交流の柱と位置づけ各国への協力を実施していますが、アンコール遺跡についても、将来的にはカンボジア国民自らの手による遺跡保存活動が実現されることを目指して支援を行っています。
■活動
これまでに延べ680人以上の専門家と常時平均して180人以上のカンボジア人スタッフや事務スタッフが共同で保存修復活動にあたっています。保存修復事業を通じた現地技術者への技術移転・人材育成にも努めています。また、毎年開催されるシンポジウムや報告書、ホームページ(http://www.angkor-jsa.org/)を通して、修復活動や科学的調査の記録を公開することにより、専門家間だけでなく、一般の方の国際交流や情報提供にも貢献しています。
★中川 武氏 略歴
1944年に富山県生まれる。早稲田大学理工学部教授。
1986年「木割の研究」にて早稲田大学より工学博士学位授与。
1994年日本国政府アンコール救済チーム(JSA)団長、現在に至る。
1995年ヴェトナム フエ・ユネスコ会議国際専門委員、現在に至る。
『青梅市の民家』、『建築様式の歴史と表現』、『日本建築みどころ事典』、『スリランカの古代建築』、『アンコールの神々 BAYON』『日本の家』など、著書多数。
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